2002ワールドカップ予選E組:カメルーン×サウジアラビア(埼玉スタジアム2002)(02/06/01)


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<試合経過>

カメルーン 1 - 0 サウジアラビア
カメルーン辛勝、サウジ予選GL敗退決定

初戦を屈辱的点差で大敗を喫したサウジアラビアが、生き残りをかけてカメルーンと対戦。カメルーンも初戦をドローにしてしまい、最終戦にドイツを控える状況としては必ず勝っておきたい試合。

試合は、自力の差に任せてカメルーンが攻勢に出る。しかし、サウジも初戦を教訓にしたのか、フォーメーションを変えてしっかり守備を固め、時折カウンターで攻撃をしかけ、じょじょに盛り返して行く。お互い、中々決め手の無いまま前半は終了。

業を煮やしたカメルーンは、後半頭から中盤にオレンベを投入し、ゲームの流れを変えようとしてくる。
そして66分、DFからの縦のボールに反応したエトーが、健闘していたサウジDFラインの裏を巧みについて先制点を決める。
その後も、動きの良くないエムボマを引っ込めるなどカメルーンは積極的に仕掛けてきたが、結局このまま試合は終了。カメルーンはなんとか勝ち点3を奪取し、サウジアラビアは今大会最初の敗退国として決定してしまった。

サウジアラビアは善戦したものの、前半に1トップとして頑張っていたO・ドサリが負傷退場してしまうという不運にも見まわれ、ゲームプランが狂ったのが大きかったと思われる。

カメルーンも、得失点差という点で、大きくドイツに差をつけられてしまったのがイタイ。この結果がどういう結末を招くか楽しみではあるが‥‥


<Undoの目>

初戦でショボーン敗退をしてしまい、サウジ3連戦チケットを購入した我々としては、せめてサウジが良いゲームをしてくれることを期待して観戦。
‥‥と考えていたんだけど、思ったよりもサウジは頑張ってくれてました。側で一生懸命応援していた高校生も満足ですか?(負けたけど)
むしろ、カメルーンのチームとしての完成度の低さが気になってしまいました。

さてカメルーン。シドニー五輪、アフリカ選手権と優勝を納め、開幕前のイングランド戦でも好調を維持しているようだったので期待していたのだけど、この試合を見る限りでは、その影もない、という印象でした。
伝聞な限り、中央突破と個人技主体のアフリカ勢にしては珍しくサイドを起点にした良い攻撃をしている、という事だったんだけど、この試合の限りでは、「マイボールにしたら、とにかくサイドに出し、攻撃はそこから始める」という約束ごとがある”だけ”ではないか、という感じで、その後の攻め方に工夫が見られない。
そこから先は、いつもの身体能力任せのプレーなってしまっている。それでもパスが通ってキープできちゃうんだもんな。それは届かないだろ、と思うようなパスでも、どうにか足を伸ばしたり頭を出したりして合わせている。
なるほど、それは傍から見れば「おお〜」って感じのプレーなんだが、それが戦術として活きてるわけじゃないからなぁ。ワンツーをしようとしての雑なパス回しなんかは、非常にもったいなく思う。こういう所が、まだまだアフリカのチームっていう印象から脱しきれていない。その点、セネガルの方がインパクトがあったな、と。
選手個人を見ていくと、エースであるエムボマの調子が良くなかったのも、この試合ブレーキになっていたように思う。足の怪我が完調ではないのかもしれない。後半にオレンベのようなテクニックの高い選手を入れてきたのは、ゲームの流れ上当たっていたと思う。前半に走りあいで疲れていたサウジ相手には効果あった。後、冷静なフィニッシュのエトー、ものすごい勢いで上がっていくソングとか、個々の見所はありました。

それではサウジはどうだったか。
初戦からシステムを5-4-1か3-6-1に変更してきたサウジは、最終ラインをしっかり上げて、かつ中盤に人数をかけてしっかり守ろうとする意識が見て取れた。
初戦はほとんどセンターサークルと自陣ペナルティエリアの間をドイツにボール保持されていたわけだけど、今回はセンターサークル付近でカメルーンと競り合えている。身体能力はともかく、技術に雑さが目立つカメルーンには十分対応できていた。
その守りから、ボールを持ったらワントップに向かって斜めにアーリークロスを入れるという、サウジの形が出せていたと思う。序盤、ワントップのO・ドサリがちゃんとボールをキープし、その後2列目のテミヤトやサイドバックがフォローしに上がってきて、初戦では見られなかった”ゴールに飛んでいくシュート”が出せていたと思う。
ただ、試合が進むにつれて、カメルーンとの走りあいに付き合ってきたのが仇になったのか運動量が落ちてしまった。そのため、攻撃では両サイドの上がりがまったく無くなってしまい、フォローが中央のテミヤト一人になってしまった。これでは初戦と代わらない。そのため試合経過とともにシュートまでもっていけなくなってしまっていた。
失点も、がんばっていた最終ラインが、最後エトーの動きについていけなかったのが要因だと思う。
残念だけど、これがサウジアラビアの限界だろう。

これでサウジアラビアは予選敗退が決定し、カメルーンはGL突破に望みを残したわけだけど、このカメルーンでは最終戦のドイツ戦は厳しいのではないか、と思う。まあ、「アフリカが一発がある」のだろうけど、厳しい状況には変わらないのではないだろうか。

■追記■
エースのジャバーが出場していなくて「なんでやねん!?」と思っていたら、虫垂炎だったらしい。また虫垂炎か‥‥