Jリーグ1stステージ:ジェフユナイテッド市原×横浜Fマリノス(国立)（00/05/27）

優勝するためには勝つ、それも2点差以上差をつけて勝つしかない横浜がアウェイでジェフ市原との対戦。優勝に王手をかけたセレッソも同時刻試合開始。緊迫した状況の中試合は始まった。

できるだけ点を取って勝つしかない横浜だが、むしろそれがプレッシャーになったのか前半は終始チグハグなペース。対してジェフはバロン、小倉、ベンソンを軸に、大柴、中西が積極的に前線に絡んでくるスタイルで終始ゲーム展開を有利にすすめる。前半で見れば、ジェフが圧倒的にシュート数、決定機数で上回りながらなかなか点が決められない。

なかなか試合の流れがつかめない横浜だが、38分、中村とエジミウソンの連携から、うまく抜け出したエジミウソンがゴールを決めて先制。さらにその後、ジェフで一番効果的に活躍していたベンソンが、この試合2枚目のイエローで退場し、一気に流れは横浜に傾くかと思われた。

しかし、後半になってもなかなか横浜は数的有利を活かせない。永井を右サイドに入れて、積極的にしかけようとするが、逆に松田が抜け出した大柴を倒してしまい一発レッド。これで、さらに試合は分からなくなる…と思われた。

その直後、この試合出場停止の三浦に変わって左サイドに配置された遠藤がはじめてゴール前に進入する。中村、外池と連続でワンツーを決め、最後はキーパーの目前で巧みに左足でボールを流し込み、待望の2点目をゲット。これで優勝するための最低条件を確保した。

その後は、あきらめないジェフが積極的に押し込んでくるが、守備陣がふんばり試合終了。勝ち点3と、得失点差+2を手に入れ、長居の結果を待つことになった。そしてオーロラビジョンにフロンターレのVゴールが決まる瞬間が流れたとき、横浜Fマリノスとしては初、マリノスとしては5年ぶりの優勝が決定した。

いや〜、サッカーって本当にいいですね〜。というか、こういう優勝の決まる瞬間にスタジアムに居れるってことがこんなにすばらしいことだとは思わなかったという感じです。なんだか優勝が決まるには、長居に比べると寂しいスタジアムでしたが（というか、ジェフサポ少な…）、それでも、いつまでも終わらないサポーターの合唱が心地よかったです（でも、僕は歌わないんだ。てへっ）。

それにしても奇跡だよな〜。ほんとうにこの展開は軌跡としか言いようがないよね。横浜、セレッソとも単純に順位から対戦相手を考えれば、8割以上はセレッソが優勝をつかんでいたわけで、そのわずかな可能性しか横浜には残ってなかったわけですよ。しかも、横浜は本当に調子が悪い。先週の試合でもそうだったけど、今日の試合もチグハグさが目立って、前に京都戦を見たときにお寒く感じたのと同じような試合展開でした。それでもしぶとく取りこぼしをしないことが今シーズンの横浜を支えていたのかもしれないな。
それと、この土壇場での試合のプレッシャー。単に、横浜とセレッソの命運を分けたのは「優勝経験」のある無しかもしれないと思いました。

あんまり嬉いと、文句を言う気もなく語れることが少なくなってしまいますが、今ステージの順位表や優勝ラインを見ると、横浜もうかうかしてはいられないと思いました。なにしろ、上位4位までが全部10勝5敗だもんなあ。90分勝ちを徹底したところが結果の分かれ目というか。とにかく、優勝はしたものの、横浜の強さはまったくもって不完全です。まず、僕が実際に見た試合だけで言っても、チーム戦術というよりは個人技で点を取って、個人の能力で守ってるという感じがしました。ま、今シーズンからのマリノスのゴール前でのパターンとして、ワンツーをつかって攻めるというのがありますが、これもゴール前での2〜3人くらいのコンビネーションだしね。全体のコンビネーションで見れば、まったくなっていません。優勝が決まっても、やっぱり「よくこんなんで優勝できたよなあ」と思えます。というより、本来、その程度のデキでも優勝できる面子が揃ってるってことだよな。とにかく、総合優勝、完全制覇を目指すなら、2ndステージまで結構間が空くうちに、的確に補強してほしいもんです。
まあ、FWがユが戻ってくるようなのでともかくとして、今はとにかく右サイドですな。トップを目指すには、とにかく物足りない。磐田の安藤を狙ってるらしいですが、これは是非獲得してほしいもんですな。

雨の中43000も集まったサポーターには、とても悲しい結果に終わってしまったセレッソですが、やっぱり「優勝経験」というか「土壇場までの優勝争い経験」のある無しっていう要素は大きかったのではないかなと思います。というか、今ステージのセレッソを見てきた身としては、この結果はそうとしか言いようがありません。ニュースでしか見てないけど、「なんでそれが決められなかったんだ〜!?」というようなシーンの連続。でも、これでセレッソも優勝への可能性がグッと大きくなったと思います。やっぱり、43000人も観客が集まってくれるようなチームなんだから、タイトルを取って欲しいと思うし。サポーターのみなさんも、この悔しさを忘れないでこれからもセレッソを応援してほしいと思う。

正直言って、結構複雑な気分だったっすよ。Vゴールが決まった瞬間。横浜優勝が決まったのはうれしかったけど、多分、優勝がダメでもあんまり落ち込まなかったと思う。あの長居の観客席と今日の国立の観客先を見比べたとき、「セレッソが優勝したら、きっと凄いことになるだろうな〜」と思ってたからさ。